NPPVをもう少し早く知っていたら    ~患者の親として~

特定非営利活動法人 もみの木 DMD型筋ジストロフィー患者の保護者 蔭山節子

筋ジストロフィー患者の病気で誕生した我が子に今、私達保護者は、何の手を差し出す事が出来るでしょうか。辛い病気で我が子が戦う為には、それぞれの保護者は何かを感じる。感じない親なんかいないと思います。さて、DMD型筋ジス患者は「50年前には人工呼吸療法がなかった頃患者延命18.1歳」「気管切開が始まり患者の延命は28.9歳になった」「NPPVから生涯NPPVのままで、患者の延命は39.6歳」とある。「NPPV=鼻マスク=非侵襲的」 と反対の「TPPV=気管切開=侵襲的」この辺りまでは殆どの保護者様はご存知でしょう。筋ジス患者の気管切開で寝たきりは、診療報酬が3305点・鼻マスクで2泊3日以上外出すると診療報酬291点です。ある17歳の筋ジストロフィー患者に「気管切開をしないでも生きていきたい。」と言われたお医者さんが居ました。その医者は世界的権威のあるジョン・ロバート・バック医師の門を叩きアメリカへ留学し、みごとにそんなDMD筋ジス患者の夢を叶えて下さいました。その医師は20年間に一人も気管切開をしていません。その技術で広く日本中、果ては外国まで、ところ狭しと大活躍されています。京都国際会議では、各国の医師方が150名参加されており、外国の医師の方の注目は、石川悠加医師の「NPPV」の講演でした。5ヶ国から「是非我が国にも来て下さい」とのご講演依頼が有るようで、私は日本人として優秀な医師の御活躍を誇りに思いました。その医師の書籍『非侵襲的人工呼吸療法ケアマニュアル~神経筋疾患のための~』を読んで思ったことは、「神経筋疾患患者(ALS、筋ジストロフィー等)の患者が一人の人間として生きていくためには、「NPPV=鼻マスク=非侵襲的」ということです。そして、DMD型筋ジス患者の延命と、QOL(生活の質)向上の、お手伝いが出来るのは、わたしたち保護者です。兵庫支部長の主人が年一回、筋ジス勉強会を開催しております。いろいろな保護者からの相談があります。たとえば、医者にお宅は「NPPV」対象外です。と告げられと悩んでおられる人に、「どの医師に相談したら“NPPV=鼻マスク”を継続できますか?」と言われました。私は患者と保護者に、「自分の人生を守るには自分ですよ。」「我が子を守るのは親です。親が考えなければ患者は苦しい生涯を送る事になります。」と答えました。なぜならば、私達が「NPPV」を知ったのは、息子の気管切開後6ヶ月過ぎた頃だったからです。気管切開を決めた時の事はよく覚えています。医師との面会から帰宅した主人が「合併症として、肺炎を起こしたらしい。もう気管切開をしなければ死ぬらしい。お前には言うなと言われたけれども、言っておきたい。」と言いました。家族で重苦しい日々が何日も過ぎました。苦しんでる我が子の決断を迫られていたのです。しかし、命を救う為気管切開を決めざるをえませんでした。「気管切開をして痰が切れると、ミニトラフを引き抜くと、今迄の生活は変わりなく続きます。」そんなトリックの様な言葉にだまされた様に今も思います。